-小高い丘の上で・・-





あなたが近寄る前に、カボチャの頭をした変な物体がこっちを見た。
「おいでよ。」
・・どうもこのカボチャ、なかなか愛想が良さそうだ。

カボチャに愛想よくされるってのも不思議な話だ。
普段は普通に食べてるのに。

・・このカボチャも食べられたりするんだろうか?

「ボクよりこのミートパイの方が美味しいと思うけど。」


・・・どうやら考えていることはバレバレらしい。

・・というより、ミートパイ・・パイという色をしていないのだが大丈夫なのか・・。

みんな普通に食べているらしかった。
それにしても・・このパイから滲み出る紫色の液体は何だろう?
・・想像するのも恐ろしいので下手なことは考えないでおこう。


・・・しかしこのカボチャ、食いっぷりが半端ない。
自分が一応植物だということを忘れているんじゃないのか。

共食いどころか・・ミートパイ・・
肉を食べているっていうのがどうも・・解せない感じだが。


「んしょ・・君も食べなよ、どうせ日付が変われば異世界へ変える門がしまっちゃうし。」
ん・・?何かとてつもなく重要なことをサラっと言われたような。


「はい、これとこれとこれとこれとこれ、君の分ね。」
何か奇妙なモノをいっぱい渡された。
ゲテモノ食材が元になったお菓子らしい。


「ついでに、このクサイのも持って帰ってよ。」

・・く、クサイ・・???
何かまた変なのを渡された。
天使のぬいぐるみだった。
捨てられて、ボロボロになっていたが、それからは確かに、
すごく微かに天使の光のニオイがした。


これがカボチャにとってはクサイ匂いなんだ・・。

そういえば、このカボチャ・・所々にネズミに齧られている。
手も傷だらけだ。まるで、齧られても傷つけられても何も感じないといった風だ。




後で知った話だが、カボチャ・・あのパンプキンは、元々心優しい性格で、
ハロウィンの赤い月が出た夜、農作業をしている所を、
悪魔に襲われてモンスターになったとか、誰かが言っていた。






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