-キャンディをあげよう-
あなたはポケットにあったキャンディを徐に取り出す。
「(ちょっと溶けかけてるけど・・いいかな?)」
キャンディは体温によって、ほどよく人が嫌がりそうな具合に溶けていた。
キャンディの袋から中身が溶け出し、持っていた手が粘着く。
今更こんなもの食べたい気にはならないので、どうせだからあげておこうか。
そもそも何日前のキャンディかもわからない危ないキャンディを、
目の前で見つめている大きな影に差し出してみた。
「・・ガブッ・・!!」
「えっ・・!?」
一瞬、凄まじい速さでキャンディを差し出した右手ごと飲み込まれ、
次の瞬間右手は解放された。
手にはキャンディだけが消えていた。
この変な物体はかなり乱雑な食べ方をするらしい。
その後、影の持っていた光が赤く怪しく光った。
そして影はニンマリと微笑み、また何事もなかったかのように、
あなたの横を過ぎ去っていった。
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