-屋敷を右へ進む-
真っ暗なので何もわからないが、
とりあえず自分が右だと思う方向に進んでみることにした。
・・・ガタ。
あれ・・、段差がある。どうやら階段になっているらしい。
狭い・・曲がりくねっている・・。
螺旋階段になっているようだ。
両端の壁には窓があるらしく、時折冷たい風が屋敷の中に吹き抜けてくる。
月夜の光が窓から入り込み、夜空が見えた。
その空間はとても静かだった。
永遠の夜に支配されるこの世界で、永遠の時間、思いに耽ることが出来そうだ。
自分にはその静けさと孤独が心地よかった。
もとより独りになれており、一番独りが安心できる。
月の光に照らされた蒼白な階段を登りながら、
更に更けて行く夜空を何一つ物音のしない静謐さの中で
まるで自分の心のなかを覗いているような心地で
眺めているのであった。
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