-屋敷の中を真っ直ぐ・・-
・・・ガチャガチャ・・・と音がする、食器の音・・だと思う。
ここはキッチンのようだ。
黒い小さいものがキャーギャー、と可愛い声を上げながら忙しく準備をしているようだった。
自分の図体よりもずっと大きい食器を運び、並べて、
果物、ケーキ、トマトジュース、色々な食事を用意していく。
でもその料理はどこか奇妙で、あまり食べたいと思わないものばかりである。
変な笑い声が食べ物から聞こえてきたり、目があったり、気持ち悪い色をしていたり、
何の物体か訳がわからないものもたくさんあった。
タベチャ・・イケナイヨ・・・・
ウウン・・・ココノ・・ジュウニンニ
ナリタイ・・・ナラ・・・タベルトイイヨ・・・
・・・・タベナヨ・・・・・、タベナ・・・。
小さい黒いものの声がなんとも可愛らしくて、
一匹ぐらい持って帰ろうかとも思った。
・・しかし、屋敷の外にその物体を連れ出した瞬間、
月の青白い光に照らされ、黒いものは泡となって消えてしまった。
「泡になっちゃいました・・
台所洗剤みたいな生き物だったんでしょうか・・。」
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