N、みどりの髪をかきあげながら脚を組む。

ヴァイオぼんやりとした顔でペットボトルの水を飲む。
ヴァイオレット 久しぶりの出番ですね
ウェルス うむ。やる気は妄想力に吸収されてしまったようだ
N 最近読んだマンガに。そもそも書いてすらいない自分の漫画が雑誌に載っているかもしれないと思って探す話があったわ
ヴァイオレット あれは目から鱗でしたよ。
読まれるか評価されるか以前にまず書かなければならないなんて
気づかなかった・・・
N 地獄のミサワだけどね
ウェルス でもパソコンって色々アップデートの警告とか面倒だし開くの時間かかるしなあ。
かといってポメラは小さくて使いにくい
N しかしそもそもやる気がないという・・・
ヴァイオレット ぼくたちもっと活動すべきだと思います。なんでもいいから色々とやるべきです
N でも今年はもうファンタジーを原稿用紙に六十枚描いたわ!
ウェルス せっかくだからこの場を借りて宣伝しようか
ヴァイオレット 僕たちは出てないんですよ?ごっくーの設定とか関係ないですし
N というかその計画は休止して別の長編の構想を練っているところだけどね
ヴァイオレット あれはもうちょっと推敲しないとなあ
N ・・・うーん。久しぶりにごっくー小説でもかく?
ヴァイオレット あー本がほしいな。なんかネタないですかね・・・うーむ。
今りのさんが書いてる小説の一ページ目でも載せておきましょうか




一話 口伝者





 その日、母に連れられていった集会場のようなところで。
高級な革張りの椅子に腰掛け、私は壇上の男を見つめた。

 秘密の集会場。紳士淑女たちが集う場所。
文学、映画、劇、あらゆるものに飽きた彼らが行き着いたのは、忌み嫌われ葬り去られた物語。

 それは口伝者と呼ばれる父によって口頭で物語られる。
紡がらるるは呪いの言葉、淫靡で醜悪な、或いは獰猛な愛を。

 

 口伝者は語る。ある世界の話。平凡な争いに満ちた世界の話だ……





 魔物にその世界は支配されていた。巨体で角が生え、二足歩行の怪物たち。
或いはうつくしく聡明。
人間に溶け込む者もいれば、人間を食い散らかす者もいる。
彼らは人間よりも多種多様だった。

 魔物と人間の比率は同じほど。彼らは互いを傷つけ虐げあい愛し合った。
魔物がいても世界は人間だけのそれと大して変わらない。



 さて、舞台はひとまずある裕福な家庭に移る。
両親と三歳の一人息子。代々家系は人間だったが、息子は魔物だった。
生後数ヶ月で自称魔法使いに魔物にされたのだ。

 自称魔法使いは黒いゴミ袋をマントのように羽織って、汚れた帽子をかぶっていた。
自称魔法使いはその家庭を尋ねると自分は魔法使いなのだと言った。
たくさん空き缶を拾ってきてそれを少しの小銭に変える魔法が使える、と説明した。

『他にはどんな魔法が使えるのですか』母親が尋ねる。

『鍋と野菜と水と塩を下さい。スープに変えてご覧にいれましょう』

 鼻先で勢いよくドアが閉められると、自称魔法使いは窓の外に回って大声で不気味な呪文を唱えた。
母親は恐れおののいて窓を開けた。


N キャッ露出しちゃった!ちょっとはしゃいじゃった!
N それで、ごっくー小説を書く場合・・・どんなのがいいかしら?
ヴァイオレット むー、短めで頼みますよ
ウェルス 私がかっこよく登場するやつ
ヴァイオレット ウェルスさんはトーク専用キャラでしょ。
まあ・・・気が向いたら、という感じで・・・