-ステップ3・魔女の館の集い-

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丘の上にひっそりと佇む古びたお屋敷。
誰も住んでいない様子のその建物は、年に一度だけ不気味な明かりが灯る。
そう、そこに住まうは人在らざるもの。
今宵はこの屋敷で、不思議な声が聞こえてくる。
明かりに照らされ沢山の影が出来、その影は異質な形をしている。
わいわい、ガヤガヤ、いろんな話し声。
応接室で談笑を交わし、台所からは紫の煙がもっくもく。
さぁて今晩は何を作ろうかね?
cookinghalloween01.jpg
トカゲのしっぽ、コウモリの羽、ミイラの包帯に死者の呻き声なんてどうだい?
ぐつぐつぐつぐつ。あっちっち!
こりゃあ思った以上に灼熱の液体が出来上がったねぇ。
そら、お前らも手伝いな!
今宵蘇った死者どもにとびっきりの御馳走を用意するよ!
埃かぶって寝転がってる奴もさあ起きた起きた!
今夜は死者のお祭りだよ!

「やあ久しぶり、一年ぶりですなぁ。」
「そっちは元気ですかい?アタシは墓の下で窮屈に眠ってたからすっかり骨の具合がおかしくて。」
「墓の下なんてまだマシですよ。オレなんて死体置き場で野ざらしですからね。仲間が多いのは良いことですが!」
「私なんてこないだ近所の悪ガキに腕の骨一本持ってかれちまって・・」
「そりゃあお気の毒に~・・」
「僕は以前墓荒しに遭ったことがありますなぁ、しかしみなさんも大変で。」
「オデの住んでるピラミッドは居心地悪くってナァ、そろそろ包帯取り替えねぇト~~」
「みなさん、ムカデの砂団子が出来上がってますよ、お一つどうぞ。」
「うんぁ、今年もムカデかい、たまにはもっと上等な・・」
「魔王さんが来てくれりゃあもっといいもんもらえるのにね。」
「・・人間のタマシイとかっ!?」「うひょ~~~~~!!!いいねっっ!!!」
「あれは若返るわぁ、腐ったお肌もピッチピチ!」
「そんなの食えれば一年に一度だけじゃなくて毎晩活動出来そう!」
「とりあえずサァ、墓泥棒でも襲って食っちまおうぜ!」「サンセーーー!!」

「こんなこと喋ってても明日にはオレたちゃ骸に還るんだなぁ」
「そんなしみったれたこと言ってないで、今夜は騒ごうぜ!」
「はいは~~い!人間ども驚かしに行きたい奴らはこっちね~!アタシの後に続いて!」
「なになに」「面白そう!」「イイネそれ。」
「そいじゃ今から思い切り人間たちにイタズラしちゃおうぜ!」
「今夜は寝られない夜になりそうだ。ケッケッケ!」

かくして年に一度のこの夜は、お屋敷から出て、謎の存在たちが踊り騒ぎ、
そして街に降りてきて街中にイタズラするのである。
翌朝目覚めてみるとそれはそれはもう、大変なことに・・?
でもお菓子を門の前に置いているお家だけは、無事なのでした。
年に一度のこの夜は、沢山の貢物を、とびっきりの美味しくてあま~いお菓子を置いていてねっ!☆☆


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